樹脂材料

プラスチックの種類・特徴

プラスチックを大きく分けると「熱可塑性プラスチック」と「熱硬化性プラスチック」の2種類に分けられます。熱可塑性プラスチックについては耐熱性の度合いで、・汎用プラスチック ・汎用エンジニアプラスチック ・スーパーエンジニアリングプラスチックに3分類します。また、高分子鎖の配行度合いから、「結晶プラスチック」と「非結晶プラスチック」の2分類に分類します。

熱可塑性と熱硬化性について

熱可塑性
熱可塑性樹脂は熱を加えると変形しやすくなる樹脂で、分子は 長い鎖のような形をしていて、『材料を溶かす』⇒『型に流す』⇒ 『冷却して固める』の物理的変化を利用して成形を行います。例えるならチョコレートのような性質で、熱を加えると溶けて変形 しますが、冷やすと変形した形で固まります。生産性が高く、大量生産に適し、ほとんどすべての成形法が 適用できます。
 
熱硬化性
熱硬化性樹脂は熱を加えると硬くなる性質があり、硬化した後 に加熱しても硬さは殆ど変わりません。分子の形は硬化後は 網状となり丈夫となります。『材料を型に流す』⇒『加熱して固める』 の化学反応を利用して成形を行います。例えるならビスケットのような性質で、熱を加えても軟らかくな りません。成形法は限定されます。

熱可塑性樹脂の分類・特性

汎用プラスチック
 
【説明】樹脂価格が比較的安く、加工もしやすい
 
【特性】熱変形温度100℃未満・引っ張り強さ500kgf/c㎡未満・耐衝撃5kgf.cm/cm未満
 
 
エンジニアリングプラスチック
 
【説明】主に、高い性能の求められる工業用部品などに使われる、価格も汎用樹脂に比べ相当高価
 
【特性】熱変形温度100℃以上・引っ張り強さ500kgf/c㎡未満・耐衝撃5kgf.cm/cm未満
 
 
スーパーエンプラ
 
【説明】エンジニアリングプラスチックの中で、特に耐熱性、耐薬品性等に優れたもの
 
【特性】熱変形温度150℃以上でも長期間使用できる

結晶性と非結晶性について

高分子は、最低100以上の構成単位の単分子が結合してできますが、この高分子の集まりがプラスチックとなります。プラスチックは高分子が規則正しく配列する状態と、高分子が糸玉状になったり絡まったりして存在する状態との2つの 状態に大別することができます。

前者は結晶状態と呼ばれ、又後者は無定形または非晶状態と呼ばれます。現実に存在するプラスチックは、すべての部分が結晶状態であるというわけではなく、結晶性プラスチックといっても、 結晶部分と非晶部分とが混在しています。

プラスチック中の結晶部分の割合を結晶化度と呼ばれる値で表現します。結晶化度が高いのは、エンプラとして要請される特性が出てくるための必要条件であります。

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